待望の遺産相続 手続き
ネットワークというのは一旦土台になる部分を作った後、そのネットワークに新たな参加者を加える費用は小さいから、企業は参加者を増やし、規模を大きくするにつれ、より低いコストで大きな付加価値を生み出すことが可能となる。
雇用者一人に一台パソコンを配置し、それをネットワーク化し、ビジネスにおいてインターネットを活用することが、労働生産性(労働者一人当たりが一定時間に生み出す付加価値)を増加させる面は確かにあろう。
一方で新しいIT機器の使い方を覚え、習熟するには手間暇がかかるし、システムやネットワークの保守のためにコストがかかったりする部分もある。 差し引きでみた時にどのくらいプラスの効果、があるのかについては、論争が続いてきた。
米国の労働生産性上昇率(民間非農業企業)を見ると、八〇〜九五年の平均年率一・五%に対し、九六〜〇三年では同三・一%、ニOOO年以降に限定してみれば三・六%と加速している。 二OOO年以降は、景気後退期を含む時期である。
成長率が低下し、本来循環的には生産性が低下しやすい時期であったから、生産性の伸びの加速が目立つ。 また、企業在庫のレベルが年々低下している。
これらからみると、米国経済に構造変化が生じた可能性がある。 九〇年代後半以降、高成長にもかかわらず、インフレ率が極めて安定している。
中国等、海外からの輸入品との競争激化など貿易構造の変化もあっただろうが、先に述べた生産性の上昇に加え、技術革新を受け、パソコンや関連機器の価格が大幅に低下し、設備投資デフレ−タや消費デフレ!タを押し下げたこと、通信サービスでは巨額の設備投資が行われた中で、競争が激化し、値下げ競争が強まったことなども、ITプ−ムに関連したインフレ率低下要因といえる。 こうした点から考えれば、ITが二O世紀初頭の電気と内燃機関の発明、世紀中葉の化学合成に続いて二O世紀に現れた第三の技術革新である可能性は否定できない。
技術革新はその後の経済をリードし、長期的には株価のリターンが優れた企業群を生み出す。 ゼネラル・エレクトリック社(電気・内燃機関、一八九二年上場)やファイザー、メルク(化学合成、それぞれ一九四四年、一九四六年上場)など、ニO世紀中葉にかけての二度の技術革新に際して成長・上場した企業群の株価保有から得られた長期の収益率は、平均を上回るとの研究結果もある。
過去の例を見ると、技術革新の影響が現れる時期には経済・金融が不安定になりやすい。 電気・内燃機関の普及期となった一九二〇1三〇年代には長期の株価上昇後、大恐慌が発生している。
二O世紀中葉にも一九六〇年代半ばにかけての株価の長期上昇局面の後、七O年前後にかけて一日一株価が急落後、八〇年代初頭にかけて約一O年株価がレンジの中で一進一退を繰り返す、「株の死」の時代を経験した。 こうした傾向は、技術革新がもたらす「恩恵」への期待に対して、金融資本市場が過剰に反応する各ことや、技術革新がもたらす構造変化が円滑に進むとは限らないからと考えられる。
今回は何が問題だったのだろうか。 なぜ過剰が発生したのか今回のニュ〜エコノミープ−ムが過剰な株価や経済の変動を招いた要因を整理すると、規模の経済性への過剰な期待、過度の金融緩和、株価至上主義が強まる中での不正の多発、国際資本移動の激変という四点に整理できる。
コンピュータ、その他の情報通信機器をネットワークで結び、それによって企業同士、あるいは企業と消費者を結びつけてビジネスにする企業群をIT産業ととらえると、規模が拡大するほどコストが下がり、収益が拡大する収益逓増型産業ということができる。 もともと、ネットワークに参加する人(企業でもよい)が二人から三人になると通信(取引であれ単なる情報交換であれ)できる方向はニから六、四人になると一二、というように順列数に応じて増加していく性格がある。
これに、コンピュータや通信機器の性能の飛躍的な向上と価格低下というハ〜ド面での革新が加わったことで、規模拡大による利益増が大きく期待できる環境になった。 それゆえに企業(ないしは株価)価値の算定は非常に難しく、過剰な期待や誤算を招いた面があった。
通信業を典型例として初期投資が大きいため、企業の立ち上げ当初は赤字になる。 事業が拡大するにつれて、最初に投資した費用が全体に希薄化されていき、どこかで黒字化するわけだが、どの時点でどの程度の収益が上がるかは推測するしかない。第二にもっと問題なのは、規模の収益性の恩恵を受けるのは新技術を最も有効にビジネス化し、最終的に大きなシェアを握る「勝ち組企業」に限られるということだろう。
最初の段階ではどの企業にも勝ち残りの可能性がある。 多くの企業について勝ち組となる可能性を大きくみて、将来の利益成長や理論株価を算定すると、個々の企業については一見合理的(本当はそうではないだろうが)だが、企業を合計した産業全体の価値はどうみても過大評価になる。
第三に企業は規模の拡大によるコスト低下を実現し「勝ち組」を目指すから、顧客の聞い込みを目的に競争が激化し、値下げ競争が発生する。 このため、事業規模が拡大して費用が減少しても、売上も当初の想定ほど伸びないケ−スが多かったようだ。
規模の利益が企業収益という形ではなく、価格の低下という形で消費者に還元されたといえるかもしれない。 規模拡大による収益拡大への期待は個々の企業の株価上昇、設備投資の異常な増加もさることながら、企業買収(M&A)ブ−ムに如実に表れている。
株価、設備投資の急騰・急増後の大幅調整は既に見た通りであるが、米企業に関連したM&Aの金額も、九八〜二OOO年にかけて一・五兆ドル前後(対GDP一三〜一五%)と以前の企業買収プ−ムをはるかに凌ぐ規模に膨らんだ後、ニOO一年にはほぼ半分に急減した。 インターネットとメディア企業の大型合併であったAO−|タイムワ−ナ−は二OO二年に五四O億ドルもの「のれん代」(合併に伴って生ずるとみられていた企業の価値)の減損処理に踏み切ったが、ニOOO年にかけてのM&Aに伴う「誤算」が、いかに大きなものであったかを示す一例である。
グリーンスパンFRB議長は、九六年三月にアメリカン・エンタープライズ研究所の夕食会で「民主主義社会における中央銀行の課題」というスピーチを行った。 有名になった「根拠なき熱狂」というフレーズを含む部分で、議長は一二世紀が近づくにつれ金融政策運営は難しさを増しているとの認識を示し、その理由として以下の議論を展開している。
経済のサービス化が物価として何を測定するべきかが暖昧になりつつある中で、将来の財・サービスに対する請求権である株式や不動産の価格を含めるべきか、それらが経済活動とどのように関わっているか明らかでない。 る請求権」である株価などが上昇するのは首肯できるが、どこかの段階で「根拠なき熱狂」が発生し、過去一O年に日本が経験した長期の調整を余儀なくされない保証は、
資産価格の変動が経済活動に大きく影響しなければよいが、両者の関係は複雑であり、過小評価するべきでない。 したがって、バランスシート全般、特に資産価格の変動についての評価は、金融政策策定において不可欠な部分と考えるべきである。
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成長率が低下し、本来循環的には生産性が低下しやすい時期であったから、生産性の伸びの加速が目立つ。 また、企業在庫のレベルが年々低下している。
これらからみると、米国経済に構造変化が生じた可能性がある。 九〇年代後半以降、高成長にもかかわらず、インフレ率が極めて安定している。
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技術革新はその後の経済をリードし、長期的には株価のリターンが優れた企業群を生み出す。 ゼネラル・エレクトリック社(電気・内燃機関、一八九二年上場)やファイザー、メルク(化学合成、それぞれ一九四四年、一九四六年上場)など、ニO世紀中葉にかけての二度の技術革新に際して成長・上場した企業群の株価保有から得られた長期の収益率は、平均を上回るとの研究結果もある。
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二O世紀中葉にも一九六〇年代半ばにかけての株価の長期上昇局面の後、七O年前後にかけて一日一株価が急落後、八〇年代初頭にかけて約一O年株価がレンジの中で一進一退を繰り返す、「株の死」の時代を経験した。 こうした傾向は、技術革新がもたらす「恩恵」への期待に対して、金融資本市場が過剰に反応する各ことや、技術革新がもたらす構造変化が円滑に進むとは限らないからと考えられる。
今回は何が問題だったのだろうか。 なぜ過剰が発生したのか今回のニュ〜エコノミープ−ムが過剰な株価や経済の変動を招いた要因を整理すると、規模の経済性への過剰な期待、過度の金融緩和、株価至上主義が強まる中での不正の多発、国際資本移動の激変という四点に整理できる。
コンピュータ、その他の情報通信機器をネットワークで結び、それによって企業同士、あるいは企業と消費者を結びつけてビジネスにする企業群をIT産業ととらえると、規模が拡大するほどコストが下がり、収益が拡大する収益逓増型産業ということができる。 もともと、ネットワークに参加する人(企業でもよい)が二人から三人になると通信(取引であれ単なる情報交換であれ)できる方向はニから六、四人になると一二、というように順列数に応じて増加していく性格がある。
これに、コンピュータや通信機器の性能の飛躍的な向上と価格低下というハ〜ド面での革新が加わったことで、規模拡大による利益増が大きく期待できる環境になった。 それゆえに企業(ないしは株価)価値の算定は非常に難しく、過剰な期待や誤算を招いた面があった。
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